息子は、夜中に足が痛いといって泣きだします。さすってやるとよくなってくるようで、そのまま眠ってしまいます。翌日は何事もなかったかのように遊んでいるし、泣くのも毎目のことではないので、まだ病院には連れて行っていません。でも、もしかして骨に異常があるのでは?と不安になることもあります。

異常がなけれぱ、いわゆる成長痛だと考えられます

 このような場合、考えられるのはいわゆる「成長痛」というものです。2,3歳から小学校低学年くらいの子どもに多く、痛みは毎晩であったり、たまにだったりと個人差があります。成長痛は骨が伸びるときの痛みだと言われますが、実際に検査をしても異常がなく、原因もはっきりしません。そのため病気という概念には入らず、医学書にも載っていません。ですから、成長痛だと判断するためには、病院で検査をして「何も異常がない」ことが前提となります。ただ、骨に異常があるときでも、成長痛と同じように朝になって明るくなるとよくなったり、日中はほかのことに集中していて痛みを感じないということもないとは言えません。問題のないことがわかれば、その後は骨の心配をする必要はなくなりますから、一度はお医者さんで診てもらったほうがいいでしょう。成長痛の場合の対処としては、このお子さんのようにさすってやることで落ち着いたりもしますので、ラクになれるように、おうちのかたができるだけ手をかけてあげたほうがいいでしよう。痛みはしばらく続くと思いますが、特に治療の必要もなく、様子を見ていればいつの間にか痛がらなくなると思います。体の異常ではないと考えて気長に治まるのを待ちましよう。

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いびきは善通、疲れたときなどに出ると聞きますが、娘のような5歳の子どもでも、疲れからいびきをかくということがあるのでしょうか。何か気をつけたほうがいい点があれば教えてください。

いびきの途中で息が止まるようなことがないか注意してみて。

 このくらいの子どもでも、大人と同じように疲れからいびきをかくことはあります、「今日はたくさん運動したから」というときや、小さないびきがときおり聞こえる程度なら心配はいりません。でも、いびきも原因によっては治療を必要とすることがあります。注意してほしいのは、毎晩のことかということ、それから、いびきの途中でグッと息が止まる瞬間があるか、という点ですね。これを睡眠時無呼吸と言います。この無呼吸の回数が多いと、寝ているときに酸欠状態になってしまいます。その結果として、心臓に負担がかかったり、脳の発達に影響が出ることもあります。また、睡眠が十分にとれないことから、昼間にすごく眠くなってしまい、集中力に欠けたりもします。睡眠時無呼吸の原因としては、まず肥満があげられますが、これは小さい子どもにはあまり見られません、あごが小さいとか、扁桃肥大、アデノイド肥大というようなものが考えられますから、睡眠時無呼吸が疑われるようなときは、一度耳鼻科で診てもらうようにしましょう。すごく大きないびきをかくようなときも耳鼻科に相談してみたほうがよいでしよう。

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飲み物が大好きで、一目中飲んでばかり。しかもごはんをあまり食べません。飲み物の種類にはこだわりがないようで、ジュースでも水でも何でもいいようです。だから飲むなら極力、牛乳や野菜ジュースといった栄養のありそうなものをと思っています。それでも、このままでいいのかと考えてしまいます。

飲み物に偏った食生活は改善が必要です

 同じものを偏ってたくさん飲み続けたり、食べ続けたりするのは、よくないことなのです。特に飲み物や柔らかい食べ物ばかりとっていると、あごの発達が悪くなり歯並びにも影響します。ですから、そのためにも、この飲み物に偏った食生活は改善する必要がありますね。食事の前には、いくらほしがっても飲み物を与えないなど、おうちのかたが量を制限するようにしてください。はじめのうちはお子さんも、怒ったり、泣いたりと大変だと思います。でも、どこかで一度は経験しなけ机ばならないことだと考えて、強い姿勢で飲み物中心の生活を切り替えてあげましょう。また、飲み物でおなかがいっぱいになってしまうので、食事がとれない。だから、せめて牛乳など栄養のありそう仏ものを、というふうに考えがちですが、それは良い方法とは言えません。牛乳は、1日に200-400ml程度を飲む分には、確かに体によいのです。でも、「過ぎたるは及ばざるがごとし」というように、牛乳は飲みすぎると、カルシウムなどのミネラルが多すぎて、腎臓の障害を起こす可能生があります。毎日1リットル以上は危険ですのでそれ以下にしましょう。野菜ジュースなども同様で、たくさんと机ば塩分が多すぎたりします。ただし、ひとつ気をつけて見てほしいことがあります。飲み物が好きでたくさん飲んでいるのと、のどが渇くから飲むのとでは違いがあります。尿が出過ぎるため、のどが渇いて水分をどんどんとるという場合、これは、病気の症状とも考えられますから、小児科に相談してみてください。

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この4月から幼稚園に通う息子は、いままで感染症にかかったことがありません。集団生活ではいろいろな病気をうつされると聞いていますが、どんなことに注意したらよいのでしょうが。また、予防接種はどの程度必要なのでしょうか?

感染症はかからないだけでなく軽く済ます方法も考えましよう。

感染症というのは成長していくための関門のようなもので、その時期を抜け出すまではある程度、辛抱しなくてはなりません。しかし、親の配慮で防いであげられることもたくさんあります。
例えば予防接種のある病気は避けられます。はしかのワクチンを接種しないで集団生活に入るのは非常識です。「三種混合」も済ませておくべきでしょう。三種混合といってもジフテリアと破傷風の発症はまれですが、百日ぜきは小流行があります。家に赤ちゃんがいる場合など、園でお兄ちゃんやお姉ちゃんが感染し、それが赤ちゃんに感染すれば命にかかわることもあります。水ぼうそうやおたふく風邪も、園を長く休む(1週間から10日)ことになってはお子さんもかわいそうです。
 でも予防接種をしたからといって、必ずしも完壁というわけではありません。麻しんや風しんは98バーセントくらいの確率で免疫効果がありますが、おたふく風邪や水ぼうそうは7,8割の有効率。ただし、予防接種をしていて感染した場合の症状は軽いことが多いのです。最近ではインフルエンザは「流行は防げない」という理由で、園でも学校でも集団接種をしなくなりました。しかし、流行は防げなくても個々の体を守ることはできます。予防接種でショックを起こしたり、副作用で後遺症が残るケースもまれにあります。そうしたリスクと感染症にかからない、あるいは軽くて済むということを天びんにかけるわけですが、園での集団生活を安心して過ごすためには、やはり予防接種は大切だと思います。また、この時期に感染症と接触しないまま過ごし、大人になってかかると重症になるケースが多いので、免疫のないまま大人になることのほうが怖いと言えるかもしれません。ほかにも風邪や溶連菌、冬に起こるウイルス性腸炎などの感染症がありますが、これらもほとんど集団生活でもらってきます。何日か休まなくてはならない病気ですが、何冬か経過するうちに、体がだんだん強くなってかからなくなるはずです。また、4−5歳ともなれば、もうプクブクやうがいができますから、外や園から帰ったら必ず手を洗ってうがいをするなど、基本的な習憤はぜひ身につけさせてください。細菌性の食中毒を起こすような、夏場のサルモネラや、ブドウ球菌などへの対策にはこうした習慣がとても大切になるのです。

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娘はどうしてもお肉が食べられません。どんな料理の中からも肉だけ拾い出してしまうのです。いまのところ健康に間題はないようですが、この先どうなるのか心配です。

動物性タンパク質にこだわる必要はありません

 「肉を食べない」とか「野菜を食べない」などの偏食はよくあることですが、肉を食べなくても大丈夫。タンバク質の補給の間題なら魚や卵を食べ机ばよいし、必ずしも動物性タンパク質でなくても、豆腐など植物性タンパク質をとればかまわないのです。動物性タンバク質をとらないと強い子にならないと思い込んでいるかたもいるようですが、そんなことはまったくありませんから、お母さんが悩む必要はありません。
それに、好みやし好は変わっていくものですから、肉を食べないことが将来的に続くとも限らないのです。親といっしょのときは食べなくても、園でみんなといっしょだと食べたりすることもあります。あまり神経質にならずに、ときどき食卓に出して、親がおいしそうに食べていれば良いことだと思います。ところで、最近、子どもの食品に極端なこだわりを持っているお母さんに出会つことがあります。例えば加工品は一切ダメで、自然食品しか食べさせないようなケース。このような場合だと、どうしても同じものや、ごく少ない種類のものばか力食べさせることになるので、むしろ栄養面のバランスが心配です。肉を食べないのも、確かにレバートリーは少なくなりますが、ほかにいろいろなものを食べていれば間題はありません。

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4歳の息子は風邪にかかるとよく中耳炎を起こすようになりました、最近では風邪よりも中耳炎のほうが心記です。耳の中はデリケートな場所ですし、難聴になることはないのでしょうか。また、予防法などがあったら教えてください。

風邪で引き起こされる中耳炎は成長とともに少なくなります。

 このお母さんの心配にはふた通りの中耳炎のことが入っていますね。風邪をひいたときに熱が出て耳が痛くなるのは、ばい菌によって引き起こされる急性化膿性中耳炎。難聴に結びつく可能性があるの滲出性中耳炎といいます。前者は治療すればそのたびにきれいに治りますから、心配はいりません。もちろん、耳だれが出るのを治療もしないで放っておくのは間題です。中途半端な治療で、慢性中耳炎となって難聴になることもありますので、きちんと治療しましょう。鼻と耳は耳管という管でつながっています。特に幼稚園くらいまでの年齢の子どもは耳管の通りが良いため、鼻がグジュグジュし始めると、ばい菌が耳のほうに行きやすい子が多く、こうした中耳炎を予防することはなかなか難しいのです。しかし、成長するにつれて中耳炎を起こす頻度は確実に少なくなります。基本的には、風邪という病気に抗生物質は必要ないのですが、中耳炎を起こしやすいという条件があるとしたら、医者に相談して早めに抗生剤をもらったほうが良いでしょう。滲出性中耳炎は、中耳という鼓膜の内側にだんだんと水がたまって難聴になる病気です。始めは耳がボワーンとするくらいで、痛くもないし耳だれも出ないので、本人も周囲もなかなか気がつかないのです。滲出性中耳炎はアレルギーのように体質みたいなものですから、特に予防することはできませんが、日ごろのお子さんの様子から気になることがあれば、耳鼻科の診察を受けることをおすすめします。濠出性中耳炎のほうは気長な治療が必要になります。

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3人目の子を出産したころから、長女のトイレが異常に近くなりまし た。尿検査で膀胱炎と診断され、3日間薬を飲んで、治まったと言われましたが、トイレには相変わらずよく行きます。特に夜は回数が増えます。日中は夜ほどではありませんが、それでも「また?」と思ってしまいます、膀胱炎がまだ治っていないのでしょうか。それともほかに原因があるのでしょうか。

熱中しているときは行きたくならないのなら「心因性頻尿」が考えられます

 膀胱炎と診断され、適切な治療が行われていれば自覚症状は2,3日で治まります。瀕尿が長く続くようであれば別の原因を考えるべきでしょう。この場合は「心因性頻尿」だと思います。「心因性頻尿」になるのは3-5歳くらいの子どもが多く、何らかの心理的な原因、たとえば、下の子が生まれて、お兄ちゃん、お姉ちゃんになったということをきっかけとして起こったりします。また、発表会の前で緊張しているなどということも原因になります。特に質間のお子さんのように、膀胱炎と下の子の誕生の時期が重なると、しょっちゅうトイレに行くという経験が「心因性頻尿」に移行しやすいのです。症状は膀胱炎とは違い、夜寝ているときや、夢中で遊んでいるとき、何かに熱中しているときには行きたくなりません。逆に集中力が途切れたときや、夜寝る前になると急に頻繁になります。おしっこをした後の痛みはありません。「心因性頻尿」は子どもからのSOSです。この場合なら、短くても上の子とふたりで過ごす時間をつくるといいと思います。それが難しくても、できるだけ声をかけたり、その子に気を配ってあげましょう。「またトイレに行くの?」と責めたり非難しないことも大切です。本人がトイレに行くことを意識しないようにしていれば、性格などで個人差はありますが、たいてい2,3週間で治ってしまうものです。ほかにトイレが近くなる病気では、「糖尿病」や「尿崩症」といったものがあります。これは、しょっちゅう行くけれども1回の量が少ない膀胱炎や心因性瀕尿とは違い、毎回尿の量が多く、のどが渇いて水分を多くとりたがるという特徴があります。このような多飲多尿の症状が出ているときは治療が必要ですから、お医者さんで診てもらってください。

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5歳の長男は風邪をひきやすく、お医者さんから気管支が弱い」と言われました。2歳の弟は丈夫で、兄のほうが同じ風邪でも重症になります。気管支を強くして、風邪をひかないようにしたいと思うのですが。

気管支を強くしようと意識しないでそのつど対処を

 まだ免疫があまりない4,5歳児は、園での集団生活などで新しいウイルスに出合う機会が増え、そのたびに風邪をひきます、ですから、子どものころは風邪をひく回数が多いものなのです。それでも症状の出方には個人差があります。見た目ではほとんど風邪をひいていることがわからないくらい軽くすむ子もいますが、このお子さんのように、気管支が寒さや空気刺激に対して敏感だと、同じ風邪をひいてものどがゼーゼーいったり、たんがからんだりと、症状が重くなる傾向はあります。いまは本人もつらいでしょうし、見ているおうちのかたも心配だと思いますが、風邪は繰り返しひくことでだんだん免疫ができていくものです。成長とともに抵抗力もついて、自然とひく回数も減ってきますから、気管支を強くするということをあまり意識しなくてもよいと思います。風邪をひかないようにするというのは難しいのですが、ふだんの生活のなかでも、風邪が流行しているときには人込みを避ける、外から戻ったらうがいや手洗いをする、疲れをためないように十分な睡眠をとるなどといったことで、ある程度予防することができます。それでも風邪をひいてつらそうなときは、たんを切りやすくする薬や、せきを抑えたり気管支を広げて空気の通りをよくする薬などを使ってそのつど対処していきましょう。

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胃腸が弱いのかすぐ下痢をします。そのうち強くなって下痢もしなくなるのでしょうか。ふだんはとても元気で、よく食べよく眠ります。柑橘類、乳製品は少しでも便がゆるくなります。

下痢しやすいから胃腸が弱いというわけではありません

 子どもの下痢の大半はウイルス性のものです。子どもはこれらのウイルスに対する免疫がないことが多いので胃腸炎にかかりやすいのです。大人になれば下痢もしにくくなります。下痢をしやすいということイコール胃腸が弱いというわけではないのです。ふだんは元気なのであれば心配はないでしょう。柑橘類、乳製品に関しては相性の問題と言えます。特に柑橘類には、もともと便を軟らかくする作用もあります、逆にりんごやバナナなど、便がゆるいときに良いと言われるものもありますから、果物を食べるときはそういったものを選び、柑橘類は相性が悪いと思ってあまり食べないようにしたほうがいいですね。また、乳製品には乳糖という糖分が含まれているのですが、これを分解する力が弱く、牛乳を飲むと下痢をする人がいます。「乳糖不耐症」と言い、日本人には多い体質だと言われています。そのほか、食べ物に対するアレルギーが発疹などではなく、下痢の症状で出ることもあります。この場合は原因はさまざまです。いずれにしても胃腸が弱いということではありません。これを食べると便がゆるくなるという物がはっきりしているなら、それを避ければ下痢もしないわけですし、栄養はほかのもので十分にとれるようにしてあげましょう。

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園や小学校でシラミの発生が増えていると聞いて、うちの子は大丈夫かと心配です。また、もし見つかった場合はどのように対処したらよいのでしょうか?

清潔にしていても発生します。家庭で駆除を

 これは「アタマジラミ」といい、シャンプーでは死なず、清潔にしていても発生します。人から人へうつるもので、一番の感染源は園の枕や体育のマットなど、集団生活の中にあります。子どもからおうちのかたにうつることもあるので、できるだけ布団、くし、タオルなどの生活用品は共有しないようにしましょう。
はじめに見つかるのはたいてい卵で、明るい所で透かしてみると髪についた白い小さな粒々が光って見えます。成虫は茶色く体長1.0-2.7mm程度。男の子なら丸坊主にしてしまうといいのですが、髪を切るのがいやなら、まず成虫から退治していきます。薬はスミスリンパウダーという粉を使います。スミスリンバウダーはおうちのかたが薬局で購入できる薬で、頭に振りかけてしばらく待ち、成虫を退治します。それから目のつまったクシで髪についた卵を落とします。完全に駆除するために、2,3日ごとに数回繰り返します。また、布団・枕・衣類なども熱湯につけたり、アイロンをかけるなどの熱処理やドライクリーニングに出したりして、残った卵までしっかりやつつけておきましょう。

*最近ではスミスリンの入ったシャンプーと櫛がセットになった商品が売られているそうです。

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斜視の手術をすすめられましたが、訓練など何もしていないのにいきなり手術というのに戸惑っています。斜視を治すには手術しか方法がないのでしょうか。その場合、早くしないとひどくなったりするのですか?

手術をするかは原因によりますが早めの対処が必要

 斜視というのはいろいろな原因によって起こるもので、それによって対処の方法も変わってきます。原因として一番多いのは遠視による屈折性内斜視で、もっとよく見ようとするために内側に寄り目になるものです。この場合、遠視を眼鏡で矯正すれば、斜視も良くなってくるので訓練も可能です。けれども、それ以外の原因によるものだと、たいていの場合手術が必要となります。また、遠視でも訓練がうまくいかず手術をすることもあります。普通、人間は両眼視といって、両方の目をバランスよく使い、形を把握したり、距離を測ったりしています。斜視だと両眼視がきちんとできず、片目でしか物を見ないことになります。もう一方の目はボンヤリとしか見えていないのです。両眼視は5歳くらいででき上がると言われています。ですから、手術が必要な場合は延ばし延ばしにしないほうがいいでしょう。

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うちの息子は健診のとき「仮性包茎かな」と言われました。手術が必要ならその時期など教えてほしいと思います。簡単にすむなら、あまり記憶の残らない早いうちがよいと思うのですが。また、風邪でおふろに入れないときなど洗えない日が続くと、オチンチンが赤く腫れ、おしっこをするのも痛がり気にしています。

仮性包茎なら手術は必要ありません

 「仮性包茎」というのは、普段は包皮が亀頭を覆っていますが、力を入れてむけば亀頭が露出する状態を言います。このお子さんのように仮性であれば手術は必要ありません。これに対し、亀頭をおおう包皮の先のすき間がとても狭く、力を入れても皮がむけず亀頭が見えないといった場合を真性包茎といい、手術が必要になります。仮性、真性の区別は親が見てもわかりにくいこともあり、無理に先を出してしまうとそこから先に血が行かなくなる「嵌頓包茎」になる危険もあります。判断に困るようなら小児科で診てもらってください。普通、真性包茎と思われても1歳くらいまでは様子を見ますが、以降ならいつでも手術は受けられます。いつまでに、ということはありませんが、大きくなると本人の気持ちの間題もありますから、必要なら早めに行ったほうがよいでしょう。赤く腫れておしっこも痛がるのは亀頭包皮炎といって皮と亀頭の間にばい菌が入って起こるものです。こういった症状をよく起こすようなら、風邪などでおふろに入れないときでも、おしりとオチンチンは洗ってあげたほうがいいですね。これだけでも包皮炎を予防できます。特に湿疹などがある場合は一日洗わないだけで悪くなることがあります、高熱でフウフウ言っているのでなければシャワーでさっと洗ってあげるようにしましょう。おふろでは外側だけでなく、なるべくむきぎみにして、せっけんでよく洗いましょう。

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アレルギー性鼻炎の娘はよく鼻血を出します。ティッシュを詰めてしばらくすると止まりますが、適切な処置の仕方があれば教えていただきたいのです。

冷たいタオルを当て鼻根部をつまむのが上手な止め方です

 アレルギー性鼻炎は鼻がムズムズするので、つい鼻の内側を触ってしまい、鼻血を出すのでしょう。そしてかさぶたになったところが気になって、また触ってしまうことで出血を繰り返します。こうした出血はわずらわしいものですが、あまり心配はありません。鼻血が出ると、まずティッシュを詰めるというのが一般的ですが、ティッシュは血が垂れてくるのを防ぐ役割をしているだけで、出血自体を止める効果はありません。出血の場所は多くの場合、鼻根部という鼻の硬い骨と軟らかい骨の境目のあたり、ちょうど眼鏡をかけるときに金具の当たるところのすぐ下です。止血はこの鼻根部をつまむようにして上から押さえるほうがやりやすいと思います。また、冷やすと血管が収縮して血の止まりが早いので、冷たいタオルを当てて、上からぐっとつまむというのが上手な処置の方法と言えるでしょう。外傷など大きなケガをして、以上のような処置をして2-30分たっても止まらないことがあります。その場合、太い血管が切れていることがありますから、お医者さんで止めてもらったほうがいいでしょう。そして、一度止まったら触らないように気をつけることで出血を繰り返すことも少なくなると思います。

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3歳くらいから子どもの口臭が気になりだしました、アレルギー性鼻炎と関係があるのではと耳鼻科の医師にも相談しましたが、関係ないと言われました。ちゃんと歯をみがいた後でも、奥のほうからにおってくるような気がします。食欲旺盛で、胃が悪いふうでもありません。

口臭は体の異常ではありませんから気にしすぎないで。

 最近、こういう相談をするお母さんが増えていますが、子どもの口臭の大部分は病的なものではないのです。むしろ気になるのは、においや汚れにお母さんが敏感になってしまっていることです。口臭に限らず、人間ですからにおいはあって当然で、無味無臭だということはありえないのです。これは、それを異臭、悪臭ととらえるか、人間のにおいととらえるか、その間題だと思います。また、胃などの内臓が悪いと口臭が強くなると言われたりもしますが、子どもでこういうことはまれです。本人が元気で、食欲もあって普通に生活しているというのであれば、特に病気と結びつけて考える必要はありません。口臭は食べ物によって残るにおいのほかにも、口が乾いているときや、歯みがきが不十分で口の中の雑菌が繁殖し、食べ物のカスが分解されることで一時的に強くなることもあります。こういった防げる口臭については気をつけるようにして、それ以上は心配しないようにしましょう。

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毎晩おねしょをします。お昼寝のときでも3回に2回はします。昼間のおもらしはまったくありません、4歳を過ぎても毎晩おねしょをするのは体の病気というより親子関係やストレスのせいとも言われます。スキンシツプは十分していると恩うのですが。

心配しないでまだ発達の途中段階なのです

 いったんおむつがとれたのに、ある日突然おねしょをするようになってしまったという場合には、園に入つたばかりでまだ慣れない、弟や妹が生ま机た、など精神的なものが影響していることもあります。この場合なら、暗示をかけるだけでしなくなることもあります。でもこの子はおしっこを濃縮して尿量を滅らす腎臓の機能がまだ十分にできていないうえに、おしっこがたまったよという信号で目が覚める神経の機能がまだ充分に働いていないのだと思います。おねしょというと親子のスキンシップとか心の間題と言われがちですが、そういうことで自分を責める必要はないと思います。少し時間はかかるかもしれませんが、体の機能が発達してくれば、だんだん良くなってくると思います。4歳でおねしょをしている子はまだたくさんいますから、それで肩身の狭い思いをすることもないでしょう。また、起きているときにおもらしをしてしまうこともないようですから、膀胱の感覚がないなどの神経的な異常でもないわけです。もし小学校に上がってからもおねしょが続くようであれば、それから対処を考え始めれば大丈夫です。

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4歳の娘は腹ばいになって性器を床にこすりつけ、両足をハサミのように動かします。緑っぽいおりものも出ていたので産婦人科を受診したら、大腸菌が原因だと言われ薬をいただきました。おりものはなくなりましたが、いまでもやります。「かゆいから」と言いますが、本当は気持ちいいからするのかなと思ってしまいます。このまま放っておいてよいのでしょうか?

原因を取り除くことが大切。あとは注意をほかか向けてみて

 まず、この行動のきっかけとなった外陰膣炎について触れておきましよう。性周期(月経周期)が確立していない幼児の性器は雑菌が入りやすいため、炎症をおこして緑っぽいおりものが出たり、それが原因でかゆくなるケースがみられます。お薬で一時的には治りますが、基本的には「よく洗う」ことで解決されます。
 洗い方のコツは「股の下側から直接お湯をかける」こと。おふろで洗面器にまたがらせて、股の下からお湯をバシャバシャとかけて洗うのが一番簡単な方法です。石けんを使ったり指などを入れる必要はありませんが、中をきれいにするという意識で洗うことを心がけ、まずは原因を取り除いてあげてください。さて、質間のお子さんの場合、おりものはなくなっているということですから、確かにこの行動は自慰行為と考えられます。外陰部の炎症をきっかけとするこういった行動も幼児にはときどきあることなのです。でも、性的に早熟になるということと直結させて考えないでください。また、そうい行動を始めたときにあわてて頭から「やめなさい」と言っても子どもはなかなか聞けないものです。散歩に誘うとか、本を読んであげるとか、ほかに注意を向けることを考えるほうがよいでしょう。子どもですから、ほかのことに集中していれば案外簡単に忘れてしまつものですよ。

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息子は現在、みずいぼで通院しています。一度は良くなったと思っても、また別のところにできてしまいます。どうすれば完治するのか教えてください。

免疫ができるまではいくらとってもできてしまうものなのです

 みずいぼというのはウイルスによる伝染病で、免疫ができるのに1年から1年半かかります。その間はなかなか治らないと感じるでしょうが、免疫ができれば自然に完治して、その後は一切できなくなります。みずいぼをつぶすと中から白いものが出てきますが、その中にウイルスが入っていて、それがつくことであちこちにうつるのです。もちろんピンセットで取ったりや化学薬品で焼きとればその場所は治りますが、また別の場所から芽を出すので、きりがありません。ピンセットで取るのは痛くて大変ですし、硝酸銀という薬で焼くのもなかなかきれいにいきません。そこまでしなくてもというのであれば、待つのもひとつの方法です。放っておけば1年ほどで免疫ができて治ってしまうものなのです。取る、取らないの方針はお医者さんによって違いますが、引っ掻いて困るのでかゆみ止めの薬を塗るなどの対処療法以外、いまのところみずいぼに対する根本的な治療法がありませんので、基本的にはこのふたつの方法のどちらかということになります。ただ、待つつもりでいても園やプールなどに通うとき、みずいぼは取らないとだめだと言われることもあります、どうしても取らなくてはならないようなら、お医者さんに相談してみてください。

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入園前は年に1,2度風邪をひく程度だったのに、最近は月に2,3度は病院にがかるようになりました。そのたびに薬をもらって飲んでいますが、こんなに薬を飲んでいてよいのでしょうか。

かぜの症状を緩和する薬なら心配ありありません

 お子さんは風邪にかかりやすくなったのではなく、集団生活で風邪にかかる機会が増えただけのことです。風邪などは人生経験や修行みたいなものですから、それを何回か繰り返しながら成長していくと考えてください。それが証拠に、年少、年中時代にはよく病院に来ていた子も、年長になると回数はぐんと減るのです。
 具合が悪くなれば必要なお薬を飲むことになります。風邪の場合などに普通に処方されるセキ、熱、鼻水、下痢などの症状を緩和するためのお薬は、習慣になることは少ないので、心配はあまりないでしょう。しいて言えば抗生物質です。風邪にどのくらいの抗生剤を投与するかは、病院や先生によって異なりますから、何の薬かわからない場合は、おうちのかたも心配になるかもしれませんね。お薬を受け取るときは、種類や内容をきちんと聞いてみてはいかがでしょうか。最近では肺炎球菌などで抗生剤が効かないばい菌(酎性菌)も生まれています。こうした背景には抗生剤の乱用があると言われています。ふつうはそれほど長期間多量の抗生剤を使うことはありませんが、抗生剤の処方が長期になるようでしたらいつまで必要なのかをきちんきちんとお聞きになるのがいいと思います。

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息子が頻繁にまばたきをします。下の子が生まれた3歳7ヶ月ころにもありましたが、そのときは自然に治りました。最近、変わったことといえばスイミングに通いはじめたことで、スイミングのときのまばたきは特にひどいのです。子どもに「やめようか?」と聞くと「もう少し続ける」と言います、このままにしておいてよいものでしょうか?

本人はつらくないのですから、あまり意識させないことが大切

このまばたきはチックですね。チックというのは本人が意識的にしているわけではないので、自分の意志でやめることはできません。見ている人には気になりますが、「ほらまたやってる」など、本人にそれを意識させるのは逆効果になります。この場合、お母さんはスイミング
が気になっているようですが、たしかに何かきっかけがあったのかもしれません。運動会が近づいたとか、何かの発表会があるとか、下に赤ちゃんが生まれたとか、叱られたとか…そうしたストレスがきつかけで起こることもよくあります。ただし、それが本当の原因ではないかもしれませんので、本人がスイミングをいやがっていないのなら続けさせて様子を見ているのはどうでしょう。ともかく、本人にそのことをあまり意識させないことが大切で、ほとんどの場合は自然に消えていきます。私の息子も小学校高学年までずっと首を振るチックがありましたが、中学受験が終わったらずいぶん少なくなりました。心配なさるお気持ちはわかりますが、注意や非難はしないであげてください。

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よく指をしゃぶるので「指をしゃぶると、歯がガタガタになるよ」と言ったところ、日中の指しゃぶりはなくなりましたが、朝方は相変わらず指をチュパチュパ吸っています。自分ではやっていないつもりらしいので、無意識のうちにしゃぶっているようです、直すための良い方法はないでしょうか?

無理にやめさせないで、しぱらく大目に見てあげてください。

 指しゃぶりはやめさせるのはたいへん難しいことです。夜だけでもしゃぶれないようにと、指に包帯などを巻いたりしたら、それが原因で眠れなくなったりしてしまうこともあります、というのは、指しゃぶりは子どもにとって何らかのはけ口になっていて、むりやりやめさせるとたいへんなストレスになってしまうからです。幼児では、まだ指しゃぶりをする子はたくさんいると思います。歯並びへの影響も気になさっているようですが、いまは大目に見てはいかがでしよう。このお子さんの場合は昼間はしないということですから、無意識のうちに吸っているのですね。小学校に上がるころにはだいぶ少なくなって自然にしなくなると思います。

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娘は現在、身長115センチ、体重21キロ。幼稚園のクラスでは背が一番高く、平均体重よりは4〜5キロも多いのです。女の子ですから、大きすぎるのも、将来の肥満も心配です。食べ物などを制限したほうがいいですか?

心配いらない範囲内です。成長が急激にスパートしたら主治医に相談を

 お子さんの身長と体重は6歳半の標準くらいですから、年齢からすれば1歳半分くらい大きいということになりますね。幼稚園では一番大さいかもしれませんが、身長も体重もバランスよく大きいので、太りすぎという心配もありません。10人いれば必ず一番大きい人と一番小さい人ができるわけで、そういう中での一番大きい子という範囲でしょう。ただし、お子さんのいままでの成長の様子を見て、ほかの子と比べていつも大きかったのか、それともあるときから成長が急激にスパートして大きくなったのかをチェックしてみてください。半年から1年で身長・体重が急に増えて、ほかの子とどんどん開いていってしまうような場合は、性ホルモンの分泌異常ということも考えられますから、小児科の先生に相談してみてください。

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