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こんなときどうしましょ

下痢の話
 秋から冬にかけてこどもの間ではウイルスによる胃腸炎(吐き下しの風邪と言います)が流行します。有名なものではロタウイルス、アデノウイルスなどがありますがそのほか簡単な検査では特定できない嘔吐下痢をおこすウイルスがいっぱいあります。
ウイルスに対する免疫のない赤ちゃんではウイルスに出会えばたいてい発病しますので、ひと冬に2回も3回もかかってしまったという子も出てきます。
 こうしたウイルス性の胃腸炎に対しては今のところ根本的な原因療法はありません。吐くことに対しては、制吐剤(吐き気止め)を出すくらいですし、下痢には便を固める薬や腸管の運動を押さえて便の動きをゆっくりにする薬など対症療法を行うだけです。
普通、ウイルス性の胃腸炎の場合吐くのは最初の1日だけです。その後下痢がひどくなるのにつれて吐き気は治まってきます。ひどく吐くようなら吐き止めの坐薬を使って、少なくとも1−2時間は飲み物も与えないで安静にする必要があります。脱水をおそれて飲み物を与え続けても吐くだけです。その後白湯やスポーツドリンクをほんの数口づつあげるようにしましょう。吐かなかったら30分ほどしてもう少し、コップ半分くらいに増やします。哺乳瓶でなら30-50mlくらいづつあげます。
それども吐くようならまたしばらくお休みして最初からやり直します。
下痢はだいたい1週間くらいは続きます。その間、とにかく水分の補給につとめます。栄養がないと体力がなくなると心配する方がいますが、もともと健康なこどもならしばらくは水分だけでも心配ありません。それより胃腸の負担を軽くして早くちゃんとしたものを食べれるようにした方が近道です。補給する水分は、スポーツドリンク。リンゴやバナナなどの果汁、スープ、みそ汁のうわずみ、などが一般的です。果汁では柑橘系は便を柔らかくする作用があるのであまりよくありません。
食べてよいものは便の性状ににた固さくらいのものです。水みたいな便なら水気のものだけ、どろどろの便ならどろどろのもをという具合です。まあこれはおよその目安ですので、おなかがすくようであれば水様便でもうすめのお粥くらいはいい場合もあります。よくなりかけはお腹がすいてどんどん食欲が出てきますが少し押さえ気味にして食事をもとにもどさないと逆戻りということもあります。
家族全員がかかってしまったという話もよく聞きます。家族全員の手洗い、とくにおむつを換えた後の手洗いは充分にしましょう。

2003/5/5 4:42 更新


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